【2025年6月施行】食品衛生法改正でHACCP完全義務化|対応できていない飲食店は営業停止のリスクも

【2025年6月施行】食品衛生法改正でHACCP完全義務化|対応できていない飲食店は営業停止のリスクも

取材・文:EatMedia編集部

2025年6月1日から、食品衛生法の改正により、すべての飲食店で「HACCPに沿った衛生管理」が完全義務化されます。猶予期間は残り5ヶ月あまり。対応が遅れている店舗は早急な準備が必要です。

HACCPとは何か

HACCP(ハサップ)とは、「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、食品の安全性を確保するための衛生管理手法です。

従来の衛生管理との違い

項目従来の方法HACCP
管理方法最終製品の抜き取り検査製造工程全体を管理
記録不定期・曖昧毎日・具体的に記録
問題発生時事後対応未然防止

飲食店に求められる対応

すべての飲食店は、規模に応じて以下のいずれかの方式で衛生管理を実施する必要があります。

小規模事業者(従業員50人未満)

**「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」**を実施。

具体的には以下の対応が必要です:

  1. 衛生管理計画の作成 - 厚生労働省の手引書に沿って作成
  2. 計画に基づく実施 - 温度管理、手洗い、清掃などを実施
  3. 記録の保管 - 日々の実施内容を記録し、保存

大規模事業者(従業員50人以上)

**「HACCPに基づく衛生管理」**を実施。

より厳格な管理が求められます:

  1. 危害要因の分析(HA)
  2. 重要管理点の決定(CCP)
  3. 管理基準の設定
  4. モニタリング方法の設定
  5. 改善措置の設定
  6. 検証方法の設定
  7. 記録の保管

対応していない場合のリスク

2025年6月1日以降、HACCP対応が不十分な場合、以下のリスクがあります。

行政処分の対象に

  • 改善指導 - 保健所による立ち入り検査で指導
  • 営業停止命令 - 改善が見られない場合、営業停止も
  • 許可取り消し - 悪質な場合、営業許可の取り消しも

取引先からの要求

大手企業との取引では、HACCP対応が契約条件になるケースも増えています。

「デリバリープラットフォームとの契約更新で、HACCP対応の証明を求められた」(都内カフェオーナー)

今からでも間に合う対応手順

残り5ヶ月で準備を進めるための手順をご紹介します。

ステップ1:手引書の入手(12月中)

厚生労働省のウェブサイトから、業種別の手引書をダウンロードします。

  • 飲食店向け手引書
  • 給食施設向け手引書
  • 仕出し・弁当向け手引書

ステップ2:衛生管理計画の作成(1月中)

手引書の様式に従って、自店の衛生管理計画を作成します。

記載する主な項目:

  • 一般的衛生管理(手洗い、清掃、温度管理など)
  • 重要管理点(加熱温度、冷蔵温度など)
  • 記録方法

ステップ3:記録用紙の準備(2月中)

日々の実施内容を記録するための用紙を準備します。

  • 温度管理表
  • 清掃チェック表
  • 手洗いチェック表
  • 健康チェック表

ステップ4:スタッフへの教育(3〜4月)

全スタッフにHACCPの重要性と実施方法を教育します。

ステップ5:試行運用(5月)

本格施行前に1ヶ月間試行し、問題点を洗い出します。

支援制度の活用

HACCP対応には、以下の支援制度が利用できます。

補助金

  • IT導入補助金 - 温度管理システムなどのIT機器導入に最大450万円
  • 小規模事業者持続化補助金 - 衛生管理設備の導入に最大200万円

無料相談

  • 保健所の相談窓口 - 計画書の作成支援
  • 商工会議所の相談会 - 月1回程度開催
  • 業界団体のセミナー - 日本フードサービス協会などで実施

よくある質問

Q. すでに営業している店舗も対象ですか?

A. はい。新規開業だけでなく、既存のすべての飲食店が対象です。

Q. 居酒屋や喫茶店も対象ですか?

A. はい。業態に関わらず、食品を提供するすべての営業施設が対象です。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 小規模店舗の場合、記録用紙や温度計などで 5〜10万円程度が目安です。

まとめ

HACCP対応は一見難しそうに見えますが、厚生労働省の手引書に沿って進めれば、小規模店舗でも十分対応可能です。

5月末までに準備を完了し、余裕を持って施行日を迎えましょう。


参考:厚生労働省「HACCPに沿った衛生管理の制度化」
問い合わせ先:最寄りの保健所、または厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課

この記事を書いた人 EatMedia編集部