取材・文:EatMedia編集部
原価率のコントロールは飲食店経営の生命線です。仕入れの工夫で利益率を大きく改善できる実践的なテクニックをご紹介します。
はじめに
飲食店の適正な原価率は業態によって異なりますが、一般的には28〜35%が目安とされています。しかし、食材価格の高騰や人件費の上昇で、利益を確保するのが難しくなっています。
本記事では、品質を落とさずに原価率を下げる仕入れのコツをお伝えします。
テクニック1:複数業者からの相見積もり
同じ食材でも業者によって価格が大きく異なります。
相見積もりの効果
| 食材 | A社 | B社 | 削減額 |
|---|---|---|---|
| 牛肉(1kg) | 3,200円 | 2,800円 | -400円 |
| 玉ねぎ(10kg) | 1,800円 | 1,500円 | -300円 |
| トマト(1ケース) | 2,400円 | 2,100円 | -300円 |
月間で考えると、数万円〜十万円単位の削減が可能です。
相見積もりのポイント
- 3社以上から取る - 価格の相場が見えてくる
- 定期的に見直す - 半年に1回は再検討
- 条件を統一 - 品質・数量・納品時間を同じにする
テクニック2:旬の食材を活用する
旬の食材は価格が安く、味も良いため一石二鳥です。
季節ごとの狙い目食材
春(3〜5月)
- アスパラガス、たけのこ、キャベツ
夏(6〜8月)
- トマト、なす、ズッキーニ
秋(9〜11月)
- きのこ類、さつまいも、栗
冬(12〜2月)
- 白菜、大根、ほうれん草
実践例: イタリアンレストランのメニュー構成
定番メニュー:60%(通年) |
テクニック3:業務用スーパーの活用
業務用スーパーは、業者仕入れより手軽で価格も競争力があります。
おすすめの業務用スーパー
- 業務スーパー - 全国展開、品揃え豊富
- 神戸物産 - 輸入食材が充実
- METRO(旧:マクロ) - 会員制、高品質
活用のコツ
- 大容量を冷凍保存 - 使い切れない分は小分けして冷凍
- PB商品を試す - プライベートブランドは価格が安い
- 定期購入商品を見極める - よく使う商品を集中購入
テクニック4:規格外品・訳あり品の利用
見た目は劣るが、味は変わらない規格外品を活用しましょう。
規格外品の入手方法
- 直売所 - 農家から直接購入
- ネット通販 - 訳あり品専門サイト
- 市場 - 閉店間際に交渉
注意点: カレーやソース、ペーストなど、形が崩れても問題ない料理に使用
テクニック5:ロス管理の徹底
仕入れを減らすより、ロスをなくす方が効果的な場合もあります。
ロス削減のチェックリスト
- 発注量は適切か(週次で見直し)
- 先入れ先出しができているか
- 冷蔵・冷凍庫の温度管理は適切か
- 廃棄記録をつけているか
ロス率の目標値
| 業態 | 目標ロス率 |
|---|---|
| 居酒屋 | 3%以下 |
| カフェ | 2%以下 |
| イタリアン | 4%以下 |
| 和食 | 3%以下 |
原価率管理の注意点
下げすぎは禁物
原価率を極端に下げると、以下のリスクがあります。
- 品質の低下 → 顧客満足度の低下
- 量の減少 → クチコミ評価の悪化
- メニューの魅力低下 → リピート率の低下
適正な原価率を保ちながら、仕入れの効率化で利益を確保しましょう。
まとめ
原価率の削減は、単に安い食材を使うことではありません。相見積もり、旬の活用、業務用スーパーの利用など、様々な工夫を組み合わせることで、品質を維持しながら利益率を改善できます。
まずは現在の仕入れ状況を見直すことから始めてみましょう。




