飲食店のクレーム対応完全マニュアル|信頼を失わない5つの鉄則

飲食店のクレーム対応完全マニュアル|信頼を失わない5つの鉄則

取材・文:EatMedia編集部

クレームは適切に対応すれば、むしろ顧客ロイヤルティを高めるチャンスです。炎上を防ぎ、信頼を回復する実践的な対応方法を解説します。

はじめに

「料理が冷めている」「注文した料理が来ない」「接客態度が悪い」——飲食店を経営していれば、クレームは避けられません。

しかし、適切に対応すれば、クレームを言ったお客様がリピーターになることもあります。本記事では、クレーム対応の基本から実践テクニックまでお伝えします。

鉄則1:初動対応が全てを決める

クレーム対応の基本ステップ

1. 傾聴(まずは話を聞く)
2. 謝罪(不快にさせたことを謝る)
3. 共感(お客様の気持ちに寄り添う)
4. 解決策の提示
5. 再発防止の約束

NGとOKの対応例

NG対応

お客様:「注文してから30分経つんだけど」
スタッフ:「混んでるので仕方ないです」

→ 言い訳は火に油を注ぐ

OK対応

お客様:「注文してから30分経つんだけど」
スタッフ:「大変お待たせして申し訳ございません。
すぐに厨房に確認してまいります」

→ まず謝罪、その後すぐに行動

鉄則2:クレームの種類別対応法

タイプ1:料理に関するクレーム

よくあるケース

  • 髪の毛が入っている
  • 冷めている
  • 味が薄い/濃い
  • 注文と違う

対応手順

STEP1:料理を下げる
「大変申し訳ございません。すぐにお下げします」

STEP2:事実確認
厨房に状況を確認(言い訳は絶対にしない)

STEP3:解決策の提示
「作り直させていただきます」
「別のメニューにお替えいたしますか?」
「料金はいただきません」

STEP4:再提供時の配慮
「大変お待たせいたしました。ご確認ください」

タイプ2:待ち時間に関するクレーム

対応のポイント

✓ 待ち時間の目安を事前に伝えておく
✓ 遅れる場合は早めに一声かける
✓ ドリンクのサービス等で補填
✓ 提供時に丁寧に謝罪

対応例

「ご注文から○分お待たせしており、
大変申し訳ございません。
あと5分ほどでお持ちできます。

よろしければお飲み物をサービス
させていただきますが、いかがでしょうか?」

タイプ3:接客態度に関するクレーム

最も難しいのが接客クレームです。

NG対応

「そんなつもりはありませんでした」
→ 言い訳に聞こえる

「新人なので」
→ お客様には関係ない

OK対応

「不快な思いをさせてしまい、
誠に申し訳ございませんでした。

今後このようなことがないよう、
スタッフ全員で改善してまいります」

→ 素直に謝罪し、改善を約束

鉄則3:責任者が出るべきタイミング

即座に責任者が対応すべきケース

  • お客様が激しく怒っている
  • 異物混入等の重大な問題
  • 金銭的補償が必要な場合
  • SNSに投稿すると言われた場合

対応レベルの判断基準

レベル内容対応者
Lv.1軽微なクレームスタッフで対応
Lv.2料理の作り直し等リーダーor店長
Lv.3返金・SNS投稿予告店長or責任者

鉄則4:補償の判断基準

補償の種類と使い分け

1. 口頭での謝罪のみ

  • 軽微な不手際
  • お客様が納得している場合

2. ドリンク・デザートのサービス

  • 提供が遅れた
  • 軽度の不備があった

3. 該当商品の料金無料

  • 料理に明確な問題があった
  • 異物混入

4. 会計全額無料

  • 重大なトラブル
  • 食事を楽しめなかった場合

補償提示の言い回し

控えめな提示:
「よろしければ、デザートをサービス
させていただきたいのですが…」

明確な提示:
「本日の料金はいただきません。
大変申し訳ございませんでした」

鉄則5:クレーム後のフォロー

その場で完結させない

対応後のフォロー:
「先ほどはご迷惑をおかけしました。
お食事はいかがでしたでしょうか?」

お見送り時:
「本日は不手際があり申し訳ございませんでした。
またのお越しをお待ちしております」

クレーム記録の重要性

記録すべき項目

  • 日時・担当者
  • お客様の特徴(可能な範囲で)
  • クレーム内容
  • 対応内容
  • 補償の有無
  • 再発防止策

記録の活用

週1回のミーティングで共有
→ 同じクレームを防ぐ
→ スタッフ全員で改善意識を持つ

よくあるクレームと対応例

ケース1:「予約したのに席がない」

対応:
1. 深く謝罪
2. 予約台帳を確認(お客様の前で)
3. 他の席を優先的に案内
4. ドリンク or デザートをサービス
5. 次回使える割引券を渡す

ケース2:「子供が騒いでうるさい」

対応:
1. 苦情を言ってきたお客様に謝罪
2. 可能であれば席を離す
3. 騒いでいる家族には注意を促す
(言い方に配慮)
4. 両方に配慮した対応を心がける

ケース3:「会計が間違っている」

対応:
1. レシートと注文を照合
2. 間違いがあれば即座に訂正
3. 謝罪して正しい金額を請求
4. ミスした原因を後で確認

絶対にやってはいけないNG対応

NG1:言い訳をする

「人手が足りなくて」
「混んでいたので」
「いつもはこんなことないんですけど」

→ お客様には関係ない

NG2:他人のせいにする

「新人が対応したので」
「厨房のミスで」

→ お客様から見れば全員店のスタッフ

NG3:笑顔で対応

申し訳なさそうな表情で対応すべき
笑顔は「反省していない」と受け取られる

NG4:お客様の前で犯人探し

「誰が対応したの?」
「どのスタッフ?」

→ 内部事情をお客様に見せない

悪質クレーマーへの対応

見極めるポイント

  • 過度な補償を要求する
  • 恫喝や脅迫的な言動
  • 同じ人が何度もクレームを言う

対応方法

1. 毅然とした態度で対応
2. 不当な要求には応じない
3. 録音・記録を取る
4. 警察に相談(必要な場合)

クレームを減らす予防策

事前の声かけ

「お料理は15分ほどお時間をいただきます」
「少々お待ちください」
「お料理はいかがですか?」

→ こまめなコミュニケーションで予防

スタッフ教育

月1回のロールプレイング

  • クレーム対応の練習
  • NG対応とOK対応の確認
  • 実際のケースを共有

クレームをチャンスに変える

「クレームをくれたお客様は、改善の機会を与えてくれた恩人」

適切に対応すれば、むしろ固定客になることも多いのです。


クレーム対応の基本は「誠意」です。

マニュアル通りの対応だけでなく、お客様の気持ちに寄り添い、心からの謝罪と解決策を提示することが信頼回復の鍵となります。

この記事を書いた人 EatMedia編集部