飲食店の出店場所によって、経営戦略は大きく変わります。都心と郊外、それぞれの特徴と成功のポイントを解説します。
都心と郊外の基本的な違い
飲食店経営において、立地は売上を左右する最大の要因です。都心と郊外では、客層・コスト構造・集客方法が根本的に異なります。
| 項目 | 都心 | 郊外 |
|---|---|---|
| 家賃相場 | 坪3〜5万円 | 坪1〜2万円 |
| 客単価 | 高め(3,000〜5,000円) | 低め(1,500〜3,000円) |
| 回転率 | 高い | 低い |
| 駐車場 | 不要 | 必須 |
| 営業時間 | 深夜まで | 早めに閉店 |
都心での経営ポイント
メリット
- 集客力が高い - 通行量が多く、新規客を獲得しやすい
- ランチ需要 - オフィス街ならランチで安定した売上
- 深夜営業 - 終電までの二次会需要が見込める
デメリット
- 家賃が高い - 固定費が経営を圧迫
- 競合が多い - 差別化が難しい
- 人件費も高い - 交通費支給額が増加
成功のポイント
- 回転率を上げる - 席数を最大化し、滞在時間をコントロール
- ランチ営業必須 - 家賃を稼働時間で割ると、昼の営業は必須
- SNS映えを意識 - 情報感度の高い客層を狙う
「都心は家賃を払うために営業している感覚になることも。坪効率を常に意識しています」(渋谷・居酒屋オーナー)
郊外での経営ポイント
メリット
- 家賃が安い - 利益率を確保しやすい
- 競合が少ない - 地域の人気店になれる可能性
- 駐車場で差別化 - 車社会では大きなアドバンテージ
デメリット
- 集客が難しい - 通りすがりの来店が期待できない
- 商圏が限定 - 固定客の獲得が必須
- 口コミ依存 - 悪評が広まりやすい
成功のポイント
- 駐車場を確保 - 最低10台以上は必要
- ファミリー層を狙う - 子連れ歓迎の雰囲気作り
- 地域密着 - 地元のイベントや商工会との連携
「郊外は一度来てもらえれば、リピートにつながりやすい。まずは知ってもらうことが課題です」(千葉県・イタリアン店オーナー)
初期投資の比較
30席規模の居酒屋の場合
| 項目 | 都心 | 郊外 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 500〜800万円 | 200〜400万円 |
| 内装工事 | 600〜1,000万円 | 400〜600万円 |
| 厨房設備 | 300〜500万円 | 300〜500万円 |
| 駐車場整備 | 不要 | 50〜100万円 |
| 合計 | 1,400〜2,300万円 | 950〜1,600万円 |
損益分岐点の違い
月間の損益分岐点売上(30席・居酒屋の例)
- 都心: 約450万円/月
- 郊外: 約280万円/月
郊外は損益分岐点が低い分、少ない売上でも利益が出やすい構造です。
どちらを選ぶべきか?
都心がおすすめの人
- 飲食店経験が豊富
- 資金に余裕がある
- トレンドに敏感なメニュー開発ができる
- 深夜営業も厭わない
郊外がおすすめの人
- 初めての開業
- 地元に根ざした経営をしたい
- ファミリー層をターゲットにしたい
- ワークライフバランスを重視
まとめ
都心と郊外、どちらが正解ということはありません。大切なのは、自分の強みと資金力、目指す経営スタイルに合った立地を選ぶことです。
開業前に両方のエリアで実際に物件を見て、客として食事をして、雰囲気を肌で感じることをおすすめします。
取材・文:EatMedia編集部




