取材・文:EatMedia編集部
消費者庁は、2025年4月1日から施行される改正食品表示法の詳細を発表しました。飲食店にも影響する新たな表示義務について、押さえておくべきポイントを解説します。
改正の主なポイント
1. アレルギー表示対象品目の追加
特定原材料に準ずる品目(推奨表示)に 2品目が追加されます。
新たに追加される品目
- アーモンド
- マカダミアナッツ
これにより、推奨表示品目は全22品目に拡大。
現行の表示義務品目(特定原材料8品目)
表示が義務化されている品目は変更なし:
- えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、くるみ
2. テイクアウト・デリバリーでの表示義務化
重要な変更点:容器包装された商品を提供する場合、アレルギー表示が必須に。
対象となるケース
- テイクアウト用の弁当・惣菜
- デリバリー専門店の商品
- 冷凍・冷蔵で販売する加工品
- 真空パックなどの包装済み商品
表示方法
容器または包装資材に、以下を記載する必要があります:
【原材料名】 |
3. メニュー表示での対応強化
店内飲食は引き続き表示義務はありませんが、口頭での説明責任が強化されます。
「お客様から問い合わせがあった際、すぐに回答できる体制が求められます」(消費者庁担当者)
飲食店が取るべき対応
すぐに実施すべきこと
1. 原材料リストの作成・更新
全メニューについて、使用している原材料を一覧化。
作成例:
| メニュー名 | 特定原材料 | 推奨表示品目 |
|---|---|---|
| カレーライス | 小麦、乳、りんご | 大豆、鶏肉、バナナ |
| とんかつ定食 | 小麦、卵 | 大豆、豚肉、ごま |
| パスタカルボナーラ | 小麦、卵、乳 | 大豆、豚肉 |
2. 仕入れ先への確認
業務用食材の原材料表示を再確認。特に以下の調味料・加工品は要注意:
- カレールー、シチューの素
- ドレッシング、ソース類
- だし・スープの素
- 冷凍食品、レトルト食品
3. スタッフへの教育
- アレルギー物質28品目の把握
- お客様への適切な説明方法
- 問い合わせ対応フローの整備
テイクアウト・デリバリー対応
ラベルプリンターの導入
容器に貼るシールを印刷できる機器の導入を検討。
費用相場:
- エントリーモデル:15,000円〜30,000円
- 業務用モデル:50,000円〜100,000円
表示代行サービスの活用
専門業者に表示内容の作成を依頼することも可能。
料金相場:
- 初期設定費:30,000円〜50,000円
- メニュー1品あたり:3,000円〜5,000円
違反した場合のペナルティ
罰則規定
- 指導・勧告:改善が見られない場合
- 命令:勧告に従わない場合
- 罰金:最大300万円以下(法人は3億円以下)
実際の事例(過去の違反例)
2024年に都内の弁当製造業者が、アレルギー表示の不備で営業停止7日間の処分を受けた事例があります。
支援制度・補助金
1. IT導入補助金
表示管理システムの導入で最大450万円の補助。
対象ツール:
- アレルギー管理システム
- メニュー作成・表示システム
- ラベル印刷システム
2. 小規模事業者持続化補助金
ラベルプリンターなどの設備投資に利用可能(上限200万円、補助率2/3)。
経過措置と猶予期間
在庫品の取り扱い
2025年3月31日以前に製造・販売された商品は、 2026年3月31日まで販売可能。
ただし、新規に製造・提供する商品は、4月1日以降すぐに新基準を適用する必要があります。
今後のスケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年1月 | 各自治体での説明会実施 |
| 2025年2月 | 事業者向けガイドライン公開 |
| 2025年3月 | 経過措置期間終了 |
| 2025年4月1日 | 改正法施行 |
| 2025年6月〜 | 自治体による立入検査強化 |
出典:消費者庁「食品表示法改正について」をもとに編集部作成




